ローザンヌマラソン

2017年 ローザンヌマラソンを走る

竹田 昭彦
ローザンヌ・マラソンコース。レマン湖とブドウ畑(右側の丘陵)が続く=2017/10/21
スタート前にフランスのペースメーカーと記念撮影。右から4人目が筆者=2017/10/22、Run & Freednm提供
スタート直後の筆者=2017/10/22
ゴールの筆書(中央)=2017/10/22
走っている時に会った女性と乾杯=2017/10/22
消火栓から引いた給水蛇口=2017/10/21
オリンピック博物館前の表彰台でパチリ=2017/10/21
喜劇俳優のチャップリン像と記念撮影=2017/10/21
3842mのエギュイーュユ デュ ミディから4810mのモンブランを見る(奥右の円形の山)=2017/10/23
 2017年10月22日(日)、スイスの第25回ローザンヌマラソンを走りました。
 ローザンヌは、レマン湖で有名です。水質が良く、水道水を日本人が飲んでも大丈夫と評判でした。
 湖の対岸(南)は、フランスのエビアンです。エビアンの水は、世界中で売られています。アルプスから流れた水は、特別に美味しいのでしょう。

 21日 コースの下見に行くと、湖畔の丘陵にブドウ畑が延々と続いていました。収穫が終わり、葉が黄色くなっていました。
 石積みの段々畑は、南斜面で陽当たり良く、湖面から霧も発生し、ブドウ栽培に適しているそうです。地質も水はけが良いといいます。
 その上、湖面の反射熱と、石垣の保温熱が加わり、三つの太陽があるといわれます。
 一部の地域(ラヴォー)は、世界文化遺産になっています。白ワインが主で、味は渋みがつよいと感じました。

 22日 スタート会場へ行くと、Tシャッツの背中に旗を挿し、ウオーミングアップしている人達がいました。ペースメーカーです。
 凄い! 駆より、写真を一緒に撮りました。
 写真は、持参のデジカメの電池切れで、慌てましたが、メールで送って貰いました。
 彼らは、フランスのルマンにある「Run & Freedom」のメンバーです。
 各ペースメーカーの目標タイム毎に、旗とTシャッツを色分けしていました。
 目標タイムは、3時間から4時間30分の間で、15分刻みの7区分(7人)です。
 結果を調べますと、全員がほぼ目標タイムでした。プロ級です。
 ハーフのペースメーカーも、おりました。
 これほどの取り組みを、初めて見ました。詳しく知りたいと思います。

 10時10分、スタートです。
 フルの参加者は1261人です。混まないので、スタートライン近くに並びました。
 号砲は少年です。バーンと鳴り「ウオー」と声が上がり、スタートしました。
 今日は、未明から雨が降り、ビニールのカッパを着ていましたが、スタート時は止んだので脱いで走りました。
 1㎞も行かないうち、後方のランナーになりました。参加者が1万人以上いないと、7時間前後でゴールを目指すランナーは寂しいです。
 コースは、湖畔に沿った直線的で、22㎞手前で折り返します。コースを間違う心配は、なさそうです。
 景観は、湖とブドウ畑が続き素敵です。
 10㎞あたりで、一時ヒョウが降りました。
 18kmを過ぎると、救護車に乗るようにいわれました。
 時計は、スタートから3時間でした。交通規制の解除かと思い、歩道を走りました。
 今度は、自転車のサポーターが付きました。ゴールまで、走り通すことを話しますと、離れて行きました。
 20km過ぎで、コースを封鎖していました。何とか抜けようとしていると、車から責任者が出て来て、「クロス」だといいます。ゼッケン番号を記録され、ここで復路に入るよう指示されました。これ以上頑張ってもトラブルになると思い、復路に入り、ゴールを目指しました。
 間もなくすると、ハーフのランナー集団が走って来ました。封鎖の意味が分かりました。
 13時45分に、フルのコースでハーフがスタートしたからです。
 ゴール後に詳しく知れべますと、ハーフのスタート場所が、フルの復路の22.7km付近でした。そして、逆走するので、フルのランナーと正面衝突する設定でした。
 ハーフのゴールは、フルと同じです。同じ方向に走れば、距離が足りません。一端逆走して戻り、21.098㎞に合わせたのです。
 理由は、スタート場所が地下鉄の駅前で、ランナーにも応援者にも、足の便が良いからです。そして、逆走後に、地下鉄駅周辺の繁華を回り、本線に戻る工夫をしていました。
 見せ場が増え、チョット移動すれば2回見られます。ゴール場所にも地下鉄で行け、好都合なのです。
 3時間の関門は、交通規制解除ではなく、3時間で折り返さないと、物理的に無理だったのなのです。普通は、フルの方向に合わせ、スタート場所を決めるのですが・・・。
 この大会に申し込むとき、旅行社に制限時間のないことと、スタート後の3時間の関門が厳しくないことを確認しました。
 その上、昨日のゼッケン受け取りのときも、再確認したのですが・・・。
 それ以前に、しっかり検討すべきでした。

 ハーフの参加者は、4391人です。
 私がゴールするまで走る人が絶えず、追い越す多数の人から激励されました。海外の大会で、これほど激励を受けたのは、初めてです。なぜか、分かりません。
 ゴールすると、日本人の女性が待っていました。走っている途中で、会った人です。私の参加に、感動されたそうです。うれしくなり、ビールで乾杯しました。
 スイスの人と結婚し、スイス在住でした。夫は、10㎞の部を走ったそうです。
 私のゴールのタイムは、6時間8分2秒です。完走メダルを貰い、完走記録証も発行されました。だが、フルコースの完走になりませんでした。
 最終のランナーのゴールは、6時間55分50秒です。

 大会運営で、なるほどと思ったことがありました。コースの幾つかに、消火栓から水を引き、給水用の蛇口を付けてありました。これも、初めてです。メーター(量水器)が付けてあり、水道局は、料金を取るのでしょうか。

 ローザンヌには、オリンピックの本部とオリンピック博物館があります。マラソンのゴールは、博物館の前でした。
 そこには、表彰台が用意してあります。本番で上がることはないので、前日に一番高い台に上がり、写真を撮りました。
 また、ローザンヌの湖畔には、チャップリンの像があります。第2次大戦後、米国に反戦思考などを取り締まる、「赤狩り」が吹き荒れ、チャップリンは国外追放になりました。
 ローザンヌに移住したのです。

 23日 ローザンヌの南約80㎞にある、西ヨーロッパ最高峰のモンブラン(4810m)を見学に行きました。
 バスで国境を越え、フランスのシャモニーに着きました。
 シャモニー(1035m)には、ケーベルカーを乗り継ぎ、さらにエレベーターで、3842mのエギュィーユ デュディの頂上に出る、観光ルートがあります。頂上には展望台があり、モンブランが見られます。但し、見えるか見えないかは、天気次第だそうです。
 シャモニーに着いたとき、天気が悪く、ケーブルカーが止まっていました。
 2時余り待つと、午後の便から動きました。
 30分足らずで標高差2807m上ったので、ビックリしました。費用は一式51ユーロ(約7000円)です。
 展望台は、雪が降り、風もあり、マイナス15度でした。周囲に山が見えません。諦めていたら、遠方の雲が瞬間的に切れました。流れの速い雲間に目をこらしていると、数秒間、モンブランが見えました。歓声が上がり、写真を撮ろうとするが、手が凍え、シャッターが切れません。何度かチャンスがあり、撮ることができました。
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